3月13日から4日間、トルコ文化観光省が始めて開催したトルコオリーブオイルワークショップに参加しました。このワークショップは、トルコ文化観光大臣が主催し、トルコ農務省、トルコオリーブ評議会等が企画、トルコ国内の主要なオリーブ生産者とともに、アメリカ、ロシア、ウクライナ、中国、ブラジルなど主要なオリーブ消費地のジャーナリストを招き、当協会の多田理事長も日本を代表して招待を受け参加したものです。
トルコ国内のオリーブ・オリーブオイル生産者に、トルコ産オリーブオイルの特徴や長所などマーケティング上の要点をワークショップでレクチャーし研鑽を積んでもらう狙いとともに、その様子を海外のジャーナリスト達に取材させて、トルコのオリーブ産業の歴史の長さや懐の深さのみならず、近年の品質向上にかける技術的な蓄積やその努力を広く主要な消費地に知ってもらおう、という目的で開催されました。
先般の協会主催OLIVE JAPAN 2012の国際オリーブオイルコンテストでも、トルコ産のオリーブオイルは出品されたほとんどの商品が賞を受賞し、その品質の高さを実証したばかりですが、オリーブの伝統的な生産国であるトルコが、単にオリーブオイル6000年の歴史を誇るオリーブオイルの故郷であるばかりではなく、現代的な栽培手法や搾油システムを導入しながら作付面積を拡大し、今後3年から5年以内に大幅な生産量の拡大を図ることでオリーブオイルの国際市場シェアで現在の4位~5位の地位から脱して2位を窺う勢いであることも、熱心にこうしたマーケティング活動を行っていることと無縁ではないでしょう。
生産量の拡大は、当然に輸出マーケットでの認知度の向上を必要としていきますが、トルコの生産者たちが、これまでの優良なバルク原料供給国という立場から、今後はさらに高品質のブランド商品の生産国に移行していくことを強く志向していることを、今回のワークショップを通じて確認できた意義深いものでした。
ワークショップのプログラム。全部で3日間の凝縮されたプログラムでした。
まずはイスタンブールでの研修会の模様。丸一日間、熱心にオリーブオイルの特徴やマーケティング手法、科学的なオリーブオイルの健康機能の評価など、ディスカッションが繰り広げられました。(写真:最も左手はアンカラ大学農学部OZKAYA教授、その右隣トルコオリーブ評議会会長Mustafa TAN氏)
翌日は、トルコオリーブ最大の生産地Ayvalik/Edremit地区に場所を移し、ADATEPEオリーブ博物館を視察。
今回招待をアレンジしてくれた文化観光省のMujdat OZBAHCIVANOGLU氏
視察先では、海外の国際コンテストで優秀賞を受賞した数々のトルコ産オリーブオイルを試食。どれも個性あふれる素晴らしいオリーブオイルばかり。
テーブルオリーブ大手生産者であるFORA社も訪問。まるで鹿児島の黒酢工場のようにならぶオリーブ漬けの樽。
BALIKESIR市の著名な高品質ブランドオリーブオイル生産会社、LALELI社も訪問。オーナーのYAHYA LALELI氏自らテイスティング試験を来場者に解説。
LALELI社では、オリーブオイルの搾りかすを使った、堆肥の循環型農法も視察。
最後の視察先となったのは、トルコのオリーブオイル業界最大手の一社、IZMIR市のTARIS社。
そしてここでもテイスティング。TARIS社は、いわゆるスーパーなどで販売される普及品のオリーブオイル最大手の一社ですが、タンクに貯蔵するテイスティングサンプルの中には驚くほど高品質のオリーブオイルがあって驚きました。