オリーブオイルの専門講座の登竜門である『ジュニアオリーブオイルソムリエコース』初の海外開講となる台湾開講を、成功裏に終了いたしました。
半年以上かけて入念に準備された講座は、12月23日~24日の土日2日間台北市内中心部、南京復興駅前にあるPCBC Primisia会議室で開催され、定員25名満席の受講生を持ちまして大好評のうちに終了となりました。
台湾は一人当たりの年間油脂消費量が約30kgと日本に比べて4割ほども多く、油脂の摂取量とともにその摂取動向にも非常に関心の高い国で、オリーブオイルの輸入量も近年拡大傾向にあり、国際オリーブ理事会の統計でも2015年には年間輸入量8000トンを記録しています。単純な人口比では、一人当たりの消費量はまだ日本の4分の1程度ですが、健康ブームの高まりとともに、オリーブオイルへの期待は高まっています。こうした中で、すでに全イタリアオリーブオイルテイスター機構(O.N.A.O.O.)がテイスター講座を2016年から台北市で開講するなど、オリーブオイル商品の学習への機運も盛り上がりを見せているところでした。
日本オリーブオイルソムリエ協会では、すでに2013年には台湾からの受講生によるジュニアオリーブオイルソムリエを輩出、2016年には上級資格であるオリーブオイルソムリエⓇ資格合格者も現れるなど、一部に熱心な消費者やインポーターが台湾に存在することをかねてより認識していましたが、特に昨年来日本でも起こったココナツオイルによるケトン体ダイエットが台湾で大きな注目を集めると、ココナツオイルに代わる健康オイルとしてオリーブオイルがますます注目され、健康オイルとしてのオリーブオイルの「真価」を、テイスティングだけでなく包括的に正しく学習したい、という台湾からの熱意に動かされ今回の開講に至ったものです。
台湾でのジュニアオリーブオイルソムリエコースは、日本での講座とまったく同じカリキュラムで進められ、日本から派遣された3名の講師と2名のアシスタントによって進められました。
テキストはすべて中国語に翻訳され、講義も日本語から中国語への同時通訳により進行。定員いっぱいの25名の受講生は、大学教授、医学博士、管理栄養士などの専門家から、台湾銘茶や食品の卸売業者、レストランシェフやワインのソムリエ、料理研究家、学生から一般家庭の主婦まで幅広く集まり、オリーブオイルの一般への浸透と関心の高さをうかがわせます。
今回の開講は、年末・クリスマス時期と重なって、飲食関係者からは「参加したいが日程が合わない」などの声も多く早期に次回の開講を求める声も多く聞かれ、また、今回の修了生からは、
上級講座となるオリーブオイルソムリエコースの台湾での早期開講を求める声など、非常に熱心な受講姿勢が印象深いものでした。
日本オリーブオイルソムリエ協会では、今後、台湾で定期的にジュニアソムリエコースの開講を継続するとともに、ソムリエコースの開講も検討を進めていきたいと考えています。